入れ歯とお口・体の関係

誤嚥性肺炎に気をつけて(Vol.3)

入れ歯とお口・体の関係

まず最初に、日本人の死因をまとめた厚生労働省のデータを見てみましょう。

60代以上になると、1位、2位は『悪性新生物:がん』と『心疾患』や『脳血管疾患』が上位をしめますが、ここで注目したいのは『肺炎』です。
65歳〜85歳までは死因の第4位が『肺炎』です。
85歳以上になると、さらに順位はあがり、2位、3位となっています。

がんや脳梗塞や心筋梗塞は理解できるものの、肺炎が死因の上位にくるというというのは、ピンとこない人もいるかもしれません。

特に、高齢者の肺炎で怖いのが『誤嚥性肺炎』です。

『誤嚥性肺炎』とは、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症します。食べ物を咀嚼した時に、誤って気管支に入ってしまうのです。抵抗力のある若年層であれば、自分の免疫で炎症を食い止めることができますが、抵抗力の弱い高齢者は肺炎が悪化すれば死に至ります。

この『誤嚥性肺炎』の予防には、いくつか大事なポイントがあります。嚥下機能(飲み込む機能)が弱っている場合には、嚥下のリハビリを行ったり、飲み込みやすいトロミ食への工夫をしたりと、様々な対策を講じる必要があります。

そして、その他に重要なのが、口腔内の清潔です。
万が一、食べ物が気管支に入ってしまっても、お口の中の清潔を保っていられれば、感染を極力予防できます。

嚥下機能が低下していく高齢者は特に、口腔内の清潔が重要であることがおわかりいただけると思います。

『誤嚥性肺炎』予防のためにも、日々、お口の中を清潔に保ちましょう。