症例

No.20 「ブリッジと入れ歯の良いところ取りで思った以上に満足です。」(60代 女性 千葉県)

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患者さん自身が納得できる歯科治療を

日本には数多くの歯科医院があり、どこに受診してもある一定の歯科治療が受けられるようになっています。患者さんのお住まいの地域にも複数の歯医者さんがあり、通院しやすい近くの歯医者さんに通う方がほとんどでしょう。

当院、ユアー歯科クリニックは船橋駅前にある歯科医院ですが、駅近くという利便性もあり、船橋に住む住民の方々から船橋駅付近のオフィスに通われるオフィスワーカーの方まで、幅広い方々にご来院いただいているのが特徴的です。

中でも、入れ歯(義歯)治療に関しては、ミラクルデンチャーやコンフォートデンチャー、超精密義歯BPSデンチャーなどの特殊な入れ歯(義歯)を多く扱っている事もあり、入れ歯(義歯)に関しては、実に様々なお悩みをお寄せいただくケースが多いです。

そんな中、今回ご紹介させていただく患者さんのケースは、以下のとおりです。

こちらの方は、以前の歯科医院さん(他院)で歯科治療を受けた患者さんでしたが、実は、思ったイメージ(歯科治療)とは違う治療になってしまったために、ホームページで探されて来院された患者様でした。

患者さんの入れ歯(義歯)治療に関するお悩みはこのようなものでした。

  • 「前のところ(歯科医院)で、上の歯も入れ歯の治療をとなり、一時は納得したものの、初めての入れ歯は、実際に入れてみると違和感が強く、見た目にも満足いくものではありませんでした」

このように、他院でしっかりとした歯科治療をしてもらったにもかかわらず、なんとなく患者さんのイメージ(想像)と違ってしまうことが発生してしまう場合があります。患者さんのニーズ(要望)も多種多様ですし、歯科医師も様々です。ユアー歯科クリニックでは、そんな患者さんの細かなニーズも拾い上げながら、患者さんが納得できる歯科治療を提供していきたいと思っています。

それでは、次に、当院で行った歯科治療についてご紹介いたします。

残根治療から仮歯、ブリッジ治療へ

まず最初に、こちらの患者さんが当院にいらしてから、改めてお口の中の診査・診断を行いました。全体咬み合せの検査や歯周病検査などを重ねた結果、下の歯の奥歯がない事が影響し、上の歯には、どのような入れ歯を入れてもうまく噛み合わないことがわ分かりました。

そして、様々な治療の選択肢の中から、ブリッジ治療を検討することとなりました。ブリッジ治療は、ご本人の希望でもあった歯科治療でもあります。このブリッジ治療を再検討し、採用することとなりました。

どんな歯科治療においても、様々なメリットとデメリットがあります。今回のブリッジ治療についても、予後については多少の不安が残ります。しかしながら、これらの予後については、詳細を丁寧に説明し、多少の不安が残ることを患者さん自身によく理解して頂き、現時点でベターと思える治療法を選択する結果となりました。

さて、ここからは具体的な歯科治療の流れについて説明していきます。

まず最初に、残根(残った歯の根)の再治療を行うこととなりました。

お口の中を拝見しますと、残根(残った歯の根)が短い歯が見受けられました。そのため、残根が短いところは『クラウンレングスニング』という、歯茎を引き下げる外科処置を行いました。この『クラウンレングスニング』を行う事で、被せる歯をしっかり支える土台となります。土台をしっかりつくることで、その後の歯科治療の精度を高める事が目的になります。こういう細かな歯科治療が非常に重要になるのです。

その後、仮歯をつけていきます。この仮歯で、咬み合せ等の様子を見ていきます。仮歯の状態を慎重にみながら、最終的な被せ物治療へと移行していきました。

そして、最終的には、12本のクラウンは3分割にしたブリッジの治療となりました。本来であれば、入れ歯(義歯)治療の方が将来的には安定できるものでしたが、年齢的な側面も考え、最後の機会として、多少のリスクを踏まえて選択しています。

次に、下の入れ歯(義歯)についてです。最初は金属を一切に使わないノンクラスプデンチャーで設計しましたが、樹脂のみですと、どうしても一番奥の歯に負担が大きくかかってしまいます。そのため、できるだけ目立たないメタルレスト(沈み込みを防止する金属の羽)に加工し安定度を増しました。

ブリッジと入れ歯の良いところ取りで思った以上に満足です。

これらの治療を経て完成した現在は、患者さんには、就寝時には義歯を外し、上のブリッジに過度な負担が掛からないようにマウスピースつけていただくように指導させていただきました。夜間、マススピース(※1)を使うことで歯の負担が軽減しますので、現在でも安心して使用して頂いています。

最終的には、患者さんから「当初はとても苦痛だと思っていた歯医者も、今では毎週行くのが楽しみになりました。」と言うお言葉をちょうだいしています。少しずつ自分のお口の中がキレイになり、お食事も美味しくなっていることを実感されていらっしゃるようです。

以前の歯科治療に、多少の不満足感を感じていた患者さんでしたが、一つひとつ丁寧に説明し、患者さんの同意を得ながら進んでいくことで、多くの不安やお悩みを解決していくことができます。ただし、入れ歯(義歯)治療に限らず、歯科治療を通じて患者さんのお口の健康をお守りするには、継続した関わりが必要になってきます。

歯医者さんに通院することは億劫(おっくう)ですし、なかなか足が向きにくい事ではありますが、一度しっかりとした歯科治療をすることで、明日から生活が一変することもあります。ぜひ、一人に悩まずにお気軽にご相談いただければと思っています。

※1:夜間の睡眠中、無意識に歯ぎしりや食いしばりが起きる可能性があります。この歯ぎしりや食いしばりは無意識の行動であることにより、覚醒している時の何倍も強い力が歯に加わると言われています。これらが断続的に加わってしまうと健康な歯でも割れてしまうこともあります。歯が割れる事は歯根破折と呼ばれ、極めて抜歯に直結してしまう大きな問題に発展していくのです。これら、歯ぎしりや食いしばりへの歯の負担を軽減するために、夜間マウスピースを装着する方法があります。

  • 《上⑥54③/2①①②/③45⑥ Emaxオールセラミック》
  • 《右下654左下456ノンクラスプデンチャー》
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初診時

治療途中

治療終了時

ノンクラスプデンチャー